草津白根山の浅部火山流体系
平林 順一
火山ガスや温泉水の化学組成及び放出量などから得られた草津白根山の浅部には、マグマからの火山ガスが凝縮した気液2相の火山流体貯留層の存在が推定される。火山流体貯留層から分離上昇した気相は、ごく表層で地下水と接触し、液相は温泉水として湧出する。火山ガスや火口湖の化学組成などは、地震活動や全磁力の低下などと連動して変化することから、浅部火山流体貯留層の正確な位置、マグマからの火山ガス流路、表層の地下水の流れなどの解明が火山活動を理解する上で重要である。