水の遠隔電磁探査における誘電分散の基礎研究 Ⅱ 改良四極法による1/f型誘電分散の測定
○松本裕史、茂田直孝、熊澤峰夫、中島崇裕(核燃料サイクル開発機構 東濃地科学センター)
岩石の電磁物性は、水の量と状態に強く関係している。現在主に電気伝導度に関心がもたれているが、これに誘電率を加えた複素誘電率の観測、解釈をあわせて行うことにより、地下水の分布、状態のより詳細な情報が得られると考えられる。しかし、特にキロヘルツ以下での含水岩石の誘電率測定例は少なく、さらに測定上の問題に起因する誤ったデータの報告例も多く、その性質はまだ明らかにされていない。我々は、キロヘルツ以下で1ミリラジアンの精度で複素誘電率を計測することをめざし、電極の設置法などの検討をおこなった。この検討結果とあわせて、各種の含水試料の測定結果を報告する。