地球流体核内の振動流により生成される電場変動の検出可能性について
○清水久芳、歌田久司 (東京大学地震研究所)
キネマティックダイナモの数値計算を行い、地球流体核内のzonal方向の周期30年の振動流が生成する電磁場変動の空間分布と振幅を見積もった。この電場変動は、地表における長基線海底ケーブルの観測可能な大きさを持つ。しかし、同程度の時間スケールを持つ、マントル内のMT induction や海流による motional induction によって、核からのシグナルがマスクされる可能性があるので、MT induction と motional induction による電場変動の振幅を見積もり、核起源の電場変動の振幅と比較した。これによると、motional induction による電場変動と核起源の電場変動はほぼ同程度の大きさである可能性があることがわかった。核起源の電場変動を正確にとらえるには、海流変動をモニターする必要がある。