沿   革


  昭和30(1955)年10月の桜島南岳山頂爆発を契機に、防災研究所において火山噴火予知の研究を指導していた佐々憲三教授(当時)は、この活動の再開 を注目し、その推移を見守っていた。昭和31(1956)年6月、地元の要請もあって観測・調査を行った結果、この活動が山頂での本格的な活動であり、長 期化にわたり継続するであろうとの判断から恒久的観測施設の設置の必要性を痛感した。佐々教授の指導の下、吉川圭三博士らが継続的な観測・調査を行い、昭 和35(1960)年12月文部省令により、桜島火山観測所が防災研究所附属施設として正式に発足した。南岳の山頂爆発火活動は、昭和35年にピークに達 したあと漸次おとろえるかに見えた。しかし、昭和47(1972)年10月2日の比較的大きな爆発を契機に再び激化した。火山灰降下による農林災害および 降雨時の土石流災害が頻発し、住民の不安は増大した。昭和48(1973)年に測地学審議会による火山噴火予知計画の建議があり、観測点の充実・整備が順 次はかられた。また、昭和49(1974)年には九州・薩南諸島地区担当の火山活動移動観測班が桜島火山観測所に新設された。

  平成8(1996)年5月の京都大学防災研究所の全国共同利用研究所への改組に伴い、桜島火山観測所は火山活動研究センターとして再発足した。「わが国で 最も活動的な火山である桜島を全国レベルでの野外観測拠点として、学際的実験・観測を総合的に推進し、島弧火山活動のダイナミックス、噴火予知、火山災害 の予測および防止・軽減に関する研究を行う」ことを研究目的としている。当センターは、単一の研究領域「火山噴火予知」からなる。センターの運営に関する 重要事項についてセンター長の諮問に応ずるため、学内外の委員で構成される火山活動研究センター運営協議会が設置されている。

  桜島火山観測所、火山活動研究センターの歴代の施設長は次のとおりである。

    1960年12月 〜 1963年 3月  教授  佐々  憲三
    1963年 4月 〜 1964年 3月  教授  吉川  宗治
    1964年 4月 〜 1964年 5月  教授  石原藤次郎
    1964年 5月 〜 1966年 5月  教授  吉川  宗治
    1966年 6月 〜 1973年 3月  教授  吉川  圭三
    1973年 4月 〜 1973年 5月  教授  村山  朔郎
    1973年 5月 〜 1994年 3月  教授  加茂  幸介
    1994年 4月 〜 1995年 4月  教授  田中  寅夫
    1995年 4月 〜 2007年 3月  教授  石原  和弘
    2007年 4月 〜 2009年 3月  教授  大志万直人
  
 2009年 4月 〜 2012年 3月  教授  石原  和弘
    2012年 4月 〜      教授  井口 正人

 


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