【桜島報告】2015年8月末までの観測結果
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噴火活動と地震活動について
図1.桜島における火山性地震(A型・B型)と爆発の日別発生回数(2015年8月31日まで).
A型地震活動は急速に低下してきた.爆発はないものの小規模噴火は時々発生している.7月以降の噴火活動の低下傾向の延長にある.8月15日のダイク状マグマ貫入は,現時点で桜島の活動に何も影響を与えていない.
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地盤変動について
図2.桜島火山観測所(SVOG)を基準としたときの島内各所のGNSS観測点の相対位置の変化(2015年7月・8月).
地盤変動は8月16日でほぼ停止し,17日以降は急速な地盤変動を緩和する緩やかな収縮に入った.
図3.桜島島内のGNSS観測点配置.
図4.桜島火山観測所(SVOG)を基準としたときの相対変位ベクトル.
図5.鹿児島市街地(BM2469)に対するBM2474における相対上下変動.
1年9ヶ月ぶりに姶良カルデラにおける上下変動検出を目的に水準測量を実施した.区間はBM2469(かごしま県民交流センター)からBM2474(大崎の鼻)である.前回測量を実施した2013年11月と比較するとBM2474(大崎の鼻)は8mm隆起しており,隆起傾向は継続している.8月15日のダイク貫入の影響はこの地点にはなく,姶良カルデラ下のマグマの蓄積量が依然として増加し続けていることになる.
実施機関:京都大学防災研究所,京都大学大学院理学研究科,公益社団法人鹿児島県公共嘱託登記土地家屋調査士協会