2010年に1200年ぶりとなる噴火活動を始め,2014年以降,山頂に溶岩ドームを形成させつつ,火砕流が頻発しているシナブン火山(北スマトラ島州)の噴火活動の見通しについて,インドネシア側と会議(7月7日・8日)を行いました.これは,インドネシアのエネルギー鉱物資源省地質庁のSurono長官の要請によるものです.
本プロジェクトからは代表者の井口,USGSからJohn Pallister博士が出席しました.
2013年12月に溶岩流出が始まって以降,SATREPSで設置したGNSS観測装置により,継続的に地盤の沈下が観測されています.沈降速度の減少から見て,今後,1-2年程度は噴火活動が継続するという統一的な見解が得られました.
また,シナブン火山南西部のMardindinにGNSS観測点を増設しました.
写真1.シナブン火山の活動の見通しについての議論.左:井口正人研究代表,中央:Surono地質庁長官,右:John Pallister博士(USGS)
図.シナブン火山周辺のGNSS観測点における標高変化.溶岩ドーム出現後に各観測点において沈降が継続している.
写真2.シナブン火山南西部Mardindinに設置したGNSS観測点.中央下がGNSSアンテナ部.右のDishが無線LANアンテナ.