ジャワ島の最高峰であるスメル山(標高3676m)に本プロジェクト・グループ1で火山観測機器を設置しました.GNSS観測点は4点設置され,Wi-FiでSawur観測所に伝送されて,自動基線解析が行われます.また,地震計や傾斜計のデータも同時に伝送されて,火山灰放出量見積もりのために解析されます.
スメル山は2009年4月までは,ブルカノ式噴火が1日に100回ほどのペースで発生していました.その後,数か月の静穏期を経て,2009年後半からは新たなマグマ上昇が続いており,山頂のJonggring Seloko火口には溶岩ドームが形成され,ゆっくりとしたドームの崩落と火山ガス放出を主体とする噴火が繰り返されています.
山頂の溶岩ドームは大きく成長しており,今後,急速なマグマの上昇があれば,崩壊した溶岩ドームと新たなマグマの噴出によって火砕流が発生することが懸念されます.本観測装置は,新たなマグマの貫入をとらえるのに有効と考えられます.また,本プロジェクトのグループ3では,火砕流の流下予測も行っています.