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【条件付き雨天決行】施設探検ツアー

施設探検ツアーは雨天決行です.ただし,台風の影響で桜島フェリー運航停止時は中止します.

10月28日・29日開催の桜島火山観測所施設探検ツアーの参加申込みいただきありがとうございました.キャンセルおよびキャンセル待ちの受付を明日26日まで受け付けます.現在,キャンセル待ちの方に随時ツアー追加参加の連絡をしています.

桜島フェリーの運航状況については下記を参照ください.
http://www.city.kagoshima.lg.jp/sakurajima-ferry/
https://www.facebook.com/sakurajima.ferry/

【受付】
電話、FAX、またはメールでお申し込みください。代表者氏名と人数と連絡先をお伝えください。キャンセル待ちのみの受付です。また,〆切までキャンセルを下記にて受け付けます.
【受付専用電話】06-6535-8640(平日10時〜17時,土日祝はなし)
【受付専用FAX】06-6535-8648
【受付専用メール】tour*svo.dpri.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
【受付〆切】10月26日(木曜日)17時まで

 

施設探検ツアーについて

2017年施設探検ツアー

第139回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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【満席になりました!キャンセル待ち受付中】施設探検ツアー

施設探検ツアー満席になりました!お申し込みありがとうございました.

10月28日・29日開催の桜島火山観測所施設探検ツアーの参加申込みいただきありがとうございました.おかげさまで申込みされた方々で満席となりました.キャンセル待ちの受付を引き続き行います.

【受付】
電話、FAX、またはメールでお申し込みください。代表者氏名と人数と連絡先をお伝えください。キャンセル待ちのみの受付です。また,〆切までキャンセルを下記にて受け付けます.
【受付専用電話】06-6535-8640(平日10時〜17時,土日祝はなし)
【受付専用FAX】06-6535-8648
【受付専用メール】tour*svo.dpri.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
【受付〆切】10月26日(木曜日)17時まで

 

施設探検ツアーについて

2017年施設探検ツアー

【9/11受付開始】施設探検ツアー

【京大ウィークス2017開催】施設探検ツアー・観測所公開

【開催日】2017年10月28日(土曜日)、29日(日曜日)
【開催時間】午前の部:9時〜12時30分、午後の部:13時30分〜17時
【集合場所】防災研究所 桜島火山観測所(鹿児島市桜島横山町1722-19)
【集合時間】午前の部:8時30分、午後の部:13時
【アクセス】
桜島フェリー桜島港ターミナルより徒歩10分
【参加対象】
どなたでもご参加いただけます。
【申込み】
電話、FAX、またはメールでお申し込みください。代表者氏名と人数と連絡先をお伝えください。なお、先着順で受け付けます。
【申込み専用電話】06-6535-8640(平日10時〜17時,土日祝はなし)
【申込み専用FAX】06-6535-8648
【申込み専用メール】tour*svo.dpri.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
【申込み開始】 9月11日(月曜日)
【申込み〆切】10月26日(木曜日)※定員になり次第、締め切ります。

防災研究所 桜島火山観測所とは?

桜島の西部、大正溶岩原にあります。大正溶岩は103年前の大正4年の大噴火で流出しま した。現在繰り返されている昭和火口噴火の観測基地となるばかりではなく、今後予想される大噴火の予知を行うための基礎研究の基地ともなっています。昨年夏に新しい観測坑道が完成しました。坑道内部を見る絶好の機会です。

過去の施設探検ツアー・観測所公開

2016年10月開催

2015年10月開催

2014年10月開催

2013年10月開催

記事掲載「地球惑星科学の最先端」

京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻のホームページ「地球惑星科学の最先端」に記事が掲載されました.下記をご覧ください.

記事

第138回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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アジア火山コンソーシアム・フィールドキャンプ in 桜島

アジア火山コンソーシアム(ACV)・第2回フィールドキャンプが桜島で行われました。詳細は下記を参照ください。

ACV・フィールドキャンプ in 桜島

桜島でドローンを使った気象観測をしました.

京都大学防災研究所と一般財団法人日本気象協会は共同で,ドローンを使った気象観測を桜島にて実施しました.詳細は下記.

桜島におけるドローン気象観測

スタッフ・学生紹介を更新しました

スタッフ・学生紹介を更新しました.

第137回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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第136回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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【9/5受付開始】施設探検ツアー・観測所公開

【京大ウィークス2016開催】施設探検ツアー・観測所公開

【施設探検ツアー】2016年10月22日(土曜日)、23日(日曜日)13時00分~16時30分
【施設公開】2016年10月23日(日曜日)10時00分~16時30分

【場所】防災研究所 桜島火山観測所(鹿児島市桜島横山町1722-19)
※ 施設探検ツアーは集合会場
【アクセス】
桜島フェリー桜島港ターミナルより徒歩10分
【参加対象】
どなたでもご参加いただけます。
【申込み】
施設探検ツアーのみ、電話、またはメールでお申し込みください。代表者氏名と人数と連絡先をお伝えください施設公開は申込み不要です。
【施設探検ツアー申込み専用電話】06-6535-8640(平日10時〜17時,土日祝はなし)
【施設探検ツアー申込み専用メール】tour*svo.dpri.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
【申込み開始】 9月5日(月曜日)
【申込み〆切】10月21日(金曜日)※定員になり次第、締め切ります。
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防災研究所 桜島火山観測所とは?

桜島の西部、大正溶岩原にあります。大正溶岩は101年前の大正4年の大噴火で流出しま した。現在繰り返されている昭和火口噴火の観測基地となるばかりではなく、今後予想される大噴火の予知を行うための基礎研究の基地ともなっています。今年夏に新しい観測坑道が完成しました。坑道内部を見る絶好の機会です。

過去の施設探検ツアー・観測所公開

2015年10月開催

2014年10月開催

2013年10月開催

第135回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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メンバー更新

第134回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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【1月5日・6日】マグマ系3課題合同研究集会開催

マグマ系3課題合同研究集会
日時:2015年1月5日 午後1時~6時
1月6日 午前9時~午後2時
場所:国民宿舎レインボー桜島
http://www.rainbow-sakurajima.com/

H27マグマ系3課題合同研究集会プログラム

本研究集会は「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」における下記の火山関係の3課題

・課題番号1508「地球物理・地球化学統合多項目観測および比較研究によるマグ
マ噴火を主体とする火山の定量化とモデル化」

・課題番号1804「水蒸気噴火後の火山活動推移予測のための総合的研究-御嶽・
口永良部・阿蘇-」

・課題番号1908, 1913, 1914「桜島火山におけるマグマ活動発展過程の研究」

と,「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」において桜島火山を研究対象としている複数課題の合同研究集会です.研究課題間の連携を深めるともに,活発な議論をすることを目的としております.

マグマ系3課題合同研究集会世話人 大倉敬宏(京都大学大学院理学研究科),大湊隆雄(東京大学地震研究所),中道治久(京都大学防災研究所)

第133回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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【桜島観測報告】昭和火口撮影

ドローンによる昭和火口撮影(9月7日)

201509072015年9月7日午後2時頃にドローンを使って昭和火口を撮影しました.8月19日の昭和火口の撮影時と比べて,火口底が低くなっていることがわかります.これは,最近の噴火により,火口内外に砕屑物(火砕物)が飛散したためです.

昭和火口撮影(8月19日)

201508192015年8月19日にヘリコプターから撮影した昭和火口の写真です.周囲の黒色部分は撮影前日までの降雨による湿りによるものと思われます.中心部は比較的高温なため乾いていると思われます.

【京大ウィークス2015開催】施設探検ツアー・観測所公開

【京大ウィークス2015開催】施設探検ツアー・観測所公開

【施設探検ツアー】2015年10月24日(土曜日)、25日(日曜日)13時00分~16時00分
【施設公開】2015年10月25日(日曜日)10時00分~16時00分

【場所】防災研究所 桜島火山観測所(鹿児島市桜島横山町1722-19)
※ 施設探検ツアーは集合会場
【アクセス】
桜島フェリー桜島港ターミナルより徒歩10分
【参加対象】
どなたでもご参加いただけます。
【申込み】
施設探検ツアーのみ、電話、またはメールでお申し込みください。 施設公開は申込み不要です。
【施設探検ツアー申込み専用電話】06-6535-8640(平日10時〜17時,土日祝はなし)
【施設探検ツアー申込み専用メール】tour2015*svo.dpri.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
【申し込み開始】 9月1日(火曜日)
【申込み〆切】2015年10月16日(金曜日)
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防災研究所 桜島火山観測所とは?

桜島の西部、大正溶岩原にあります。大正溶岩は101年前の大正4年の大噴火で流出しま した。現在繰り返されている昭和火口噴火の観測基地となるばかりではなく、今後予想される大噴火の予知を行うための基礎研究の基地ともなっています。桜島 には火山観測坑道があり、坑道内部を見る絶好の機会です。

過去の施設探検ツアー・観測所公開

2014年10月開催

2013年10月開催

【桜島報告】2015年8月末までの観測結果

【桜島報告】2015年8月末までの観測結果

  • 噴火活動と地震活動について

fig1a
fig1b

 

図1.桜島における火山性地震(A型・B型)と爆発の日別発生回数(2015年8月31日まで).

A型地震活動は急速に低下してきた.爆発はないものの小規模噴火は時々発生している.7月以降の噴火活動の低下傾向の延長にある.8月15日のダイク状マグマ貫入は,現時点で桜島の活動に何も影響を与えていない.

  •  地盤変動について

fig2a fig2b fig2c fig2d

 

 

図2.桜島火山観測所(SVOG)を基準としたときの島内各所のGNSS観測点の相対位置の変化(2015年7月・8月).

地盤変動は8月16日でほぼ停止し,17日以降は急速な地盤変動を緩和する緩やかな収縮に入った.

fig2e

 

 

図3.桜島島内のGNSS観測点配置.

fig2f

 

 

 

 

 

 

 

図4.桜島火山観測所(SVOG)を基準としたときの相対変位ベクトル.

BM2474

 

 

 

 

 

 

 

図5.鹿児島市街地(BM2469)に対するBM2474における相対上下変動.

1年9ヶ月ぶりに姶良カルデラにおける上下変動検出を目的に水準測量を実施した.区間はBM2469(かごしま県民交流センター)からBM2474(大崎の鼻)である.前回測量を実施した2013年11月と比較するとBM2474(大崎の鼻)は8mm隆起しており,隆起傾向は継続している.8月15日のダイク貫入の影響はこの地点にはなく,姶良カルデラ下のマグマの蓄積量が依然として増加し続けていることになる.

実施機関:京都大学防災研究所,京都大学大学院理学研究科,公益社団法人鹿児島県公共嘱託登記土地家屋調査士協会

Summary of press briefing by Prof. Masato Iguchi at Sakurajima Observatory

Overview

The volcanic alert at Sakurajima volcano (Kyushu, Japan) was raised to Level 4 at 10:15 (JST) on August 15 by the Japanese Meteorological Agency (JMA). The alert system has 5 levels (5 is highest) for advising residents about dangers from erupting volcanoes. About 70 to 80 people living within a radius of 3 km of the summit area have been evacuated because of the possibility of a significant volcanic eruption. The entire population of the volcanic island is about 4500. The nearby city of Kagoshima, which is about 6 to 10 km west of the volcano summit, has a population of about 600,000 people.
The alert level was raised on August 15 because of the increase in the number of small volcanic earthquakes that are occurring in the vicinity of the volcano, along with measurements of accelerated rates of the inflation of the volcano. Sakurajima has been showing signs of continuous inflation since the beginning of this year.
Sakurajima is a volcanic island about 10 km across, located in northern Kagoshima Bay. The northern part of Kagoshima Bay is formed by Aira Caldera, which is a large volcanic structure with a diameter of about 20 km that was created about 29,000 years ago by very large volcanic eruptions.
Recent major eruptions occurred at Sakurajima volcano in 1914 (Taisho eruption) and 1946 (Showa eruption). Since 1955 there has been almost continuous low to moderate volcanic activity, including strong vulcanian explosions and occasional small pyroclastic flows.
The Disaster Prevention Research Institute of Kyoto University maintains an observatory on Sakurajima volcano for hazard monitoring and volcanological research of the eruptive activity.

Summary of press briefing by Prof. Masato Iguchi at Sakurajima Volcano Research Center on August 23 at 16:00 to 16:25.

Comparing the recent dike intrusion of 15 August with previous activity that started on 29 May 1968, the possible future progression of volcanic activity at Sakurajima volcano was discussed.

In the current volcanic unrest, the occurrence of A-type earthquakes quickly declined following their sudden increase, which is similar to the pattern of earthquake activity observed in May 1968. In 1968, the earthquakes temporary increased on 29 May then declined, and associated explosive activity was at a low level for over a year. However, in October 1972 explosive activity increased again and continued for an extended time. Presently volcanic activity is at a low level, however, based on this previous example, activity at Showa crater may increase in the future. It is important to consider the eruptive activity over a slightly longer time frame.

Also, from the results of a leveling survey, which was done quickly after 15 August, there is a change in the location of the dominant source of deformation from the deep inflationary source of magma under Aira caldera to the current shallow dike intrusion under Minami-dake. Although the present crustal deformation is dominated by the shallow dike intrusion, the magma supply from under Aira Caldera continues, so a large eruption similar to the Taisho eruption (1914) is possible in the near future.

iguchi0823Photo. Professor Iguchi answering questions from the press.

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Photo. Press gathered at Sakurajima Volcano Research Center

Summary of press briefing by Prof. Masato Iguchi at Sakurajima Observatory on August 22 at 16:00 to 17:00.

This information is based on the discussions at the meeting of the Coordinating Committee for Prediction of Volcanic Eruptions on August 21.

Activity from August 15 at Sakurajima volcano is thought to be caused by a dike intrusion at depths of a few kilometers directly under Minami-dake (South Summit). This dike intrusion is different from magma movements associated with recent eruptive activity at Minami-dake and Showa crater. The current intrusion will likely not lead directly to a large eruption.

The current activity is indicative of magma rising from depth under the volcano. Such rising magma causes the east-west tensional features seen in the geological structure of the volcano. The recent activity may be one step in a process leading up to a large eruption, such as the 1914 Taisho eruption.

【桜島観測報告・更新】2015年8月15日マグマ貫入イベント

【桜島観測報告】2015年8月15日マグマ貫入イベントについて

  • はじめに

2015年8月15日午前7時頃から桜島南岳直下を震源とする火山性地震が急増し,傾斜計や伸縮計でも山体の膨張を示唆する急激な地盤変動が観測されました.これを受けて気象庁は,同日10時15分に桜島の噴火警戒レベルを4(避難準備)に引き上げました.対象地域は昭和火口および南岳山頂火口から3km以内です.

  • 噴火活動と地震活動について

GMonthly67図1.1967年〜2015年8月15日までの月別地震・爆発回数.

桜島火山の現在の活動状況を過去の活動と比較して示したものです.今回の活動の特徴は,A型地震が極めて活発化したことが挙げられます.このような活発化は過去30年以上見られなかった現象です。図1は,過去48年間の月別地震・爆発回数を示し,A型地震が月50回以上発生したのは1968年以来となります.そこで,参考となる1968年と比較します.

※A型地震とは,火山構造性地震とよび,マグマが貫入した際に周囲の岩盤に働く応力が急激に変化したために既存の小断層がずれるため発生する現象.

G196805図2.1968年5月29日群発地震前後の日別地震回数と日別爆発回数.

1968年の地震活動の時間経過を詳細に示しますと(図2)と,1968年5月29日に始まったA型地震の活発化は,2週間程度でほぼ収束しました.しかし,活動が開始して1週間後に一時的に地震数が増加するなど,必ずしも単純な減衰を示した訳ではありません.

【コメント1】1968年5月29日午前2時過ぎから黒神町を中心として有感地震が頻発し始め,その一部は黒神で震度4,鹿児島市街地でも震度2でした.今回の地震活動での最大震度は桜島赤水新島で震度2,桜島藤野で震度1でした.

【コメント2】1968年の群発地震のあとA型地震は発生頻度は低下したとはいえ,半年以上経過しても群発地震発生前の発生頻度のレベルには戻ってませんでした.

予知連用.xls図3.桜島における火山性地震の日別発生回数と月別降下火山灰量(2015年8月19日まで)

図3は,今回の活動前の変化に注目して,火山灰量および地震回数を示したものですが,7月上旬頃から爆発地震やB型地震の回数が低調になっていたことがわかります.

※爆発地震:爆発的噴火(当所では火口から3km離れた場所で空気振動最大振幅が10Pa以上)に伴う地震.
※B型地震:火山性低周波地震の一種.低周波地震は卓越周波数が1〜6Hzの地震を指し,B型地震は低周波地震の中でも震源が浅い(せいぜい2kmの深さ)のものを指す.

震源分布0815

図4.A型地震の震源分布(2015年8月15日〜8月18日)と地震のP波初動の押し引き分布.

図4は,今回の活動におけるA型地震の震源分布とP波初動の押し引き分布を示したものです.震源は,南岳山頂および昭和火口の周辺直下の深さ1〜4kmに位置しています.図5(上)は桜島直下の地震の震央を示します.2015年3月31日に桜島南西部(東桜島)にて有感地震が起こりました.この地震の深さは8km程度と深いです.

震央分布1997-2015S 震源分布1997~2015

図5.1997年〜2015年8月19日の地震活動.(上)桜島周辺の震央分布.(下)桜島および姶良カルデラ周辺の震源分布.

  •  地盤変動について

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図6.GNSSによる変動ベクトル(2015年8月14日と8月16日の差).桜島火山観測所(SVOG)に対する相対変位を示す.

8月14日から16日までの変化を,ベクトルで表したものが図6です.桜島の北西部で北西向き,桜島の東部で東向き,桜島の南部で南向きの水平変位が見られ,山体が膨張する地盤変動を示していることがわかります.その一方で,北東部と南西部の観測点では変動が小さく,変動パターンが山頂に対して非対称であることが特徴的です.

HarEX5

図7.(上)桜島東西(SVOG-KURG)の基線長変化とハルタ山観測坑道における地盤変動.(中)月毎A型地震数(下)月毎噴火回数と火山灰放出量.

HarEX5(2)図8.図7と同じ.ただし縦軸スケールを変更した.上図右側に今回の変動がある.変動値は横矢印頭部にて示す.

図7と図8は、最近9年間の地盤変動とA型地震回数、爆発及び火山灰放出量を比較したものです。山体の膨張を示唆する地盤変動と爆発及び火山灰放出量の増加は、ほぼ同期していることがわかります。今年1月からの山体の膨張を示唆する地盤変動は6月頃に停止しました.また膨張と同時期に火山灰放出量が増加しました.ところが,7月・8月は噴火回数,火山灰量ともに少ない状態でした.傾斜と伸縮計の記録の右端の縦の線に見える部分が,8月15日の変動を示しています.この変動は,急激かつこれまでの変動量より10倍以上大きいことがわかります.

150815-150820.erg.FFP図9.2015年8月15日〜8月19日の地震エネルギー(上)と地盤変動(中・下).(上)灰棒:時間当たりの地震エネルギー,赤線:積算地震エネルギー.(中)ハルタ山観測坑道.(下)有村観測坑道.黄:傾斜火口方向,青:傾斜直交方向,赤:伸縮計火口方向,黒:伸縮計直交方向,緑:伸縮計斜交方向.

図9は,今回の活動の地震エネルギーと傾斜計及び伸縮計による地盤変動の時間経過を示したもので,地震エネルギーの放出量から,主要な地震活動は活動が開始した15日午前7時頃よりの18時間に集中していたことがわかります.山体の膨張を示す変動は,15日の午前8時40分頃に急加速しそして減速し,そして再度午前10時26分から急加速そして減速しました.その後,8月16日の正午頃には停滞しました.その後の変化は,やや山体の収縮を示す変動となっているものの,15日より前の状態と比べると依然として膨張が維持されており,浅部に貫入したマグマがその場所に留まっていることを意味します.

【コメント】積算地震エネルギー放出量109 Jは大正噴火の前駆地震の積算地震エネルギー放出量1014 Jに比べて桁違いに小さいです.

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図10.地盤変動源推定結果と変動ベクトル(垂水960722固定)の比較.

図10は図6に示したGNSS観測による水平地盤変動をデータとして,地下の変動源の推定結果を示したものです.茶色の四角の領域が推定された変動源の位置を表し,黒矢印と赤矢印がそれぞれ観測値と計算値を表します.観測データは,北北東−南南西走向で東南東に傾斜した板状の変動源が開くこと(矩形開口断層)によって,良く説明され,貫入したマグマの体積変化量は.2.1×106 m3であり,その上端は海抜下約0.6kmで昭和火口のやや東に位置すると推定されます.

表1.地盤変動源パラメータ(矩形開口断層)一覧

X Y Depth Dip Strike Length Width Open dV
0.4 km 0.2 km 0.6 km 72° N32°E 0.5 km 1.0 km 4.24 m 2.1×106 m3

座標系原点は南岳火口かつ海抜0.XYは矩形断層上端中心.Depthは矩形断層上端の深さ.

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図11.水準測量路線図.黒三角は南岳,白三角は昭和火口の位置を示す.

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図12.地盤上下変動(2014年11月〜2015年8月:赤三角),S.17基準.1年当たりの変動率でプロット.(a)桜島一周路線の一部,(b)ハルタ山路線の一部.参考のため,2007年10−11月〜2013年11月(黒丸),1996年10月〜2007年10月-11月(灰色の四角)の期間の平均的な変動率もプロット.

図11と12は,水準測量によって計測された桜島島内の地盤上下変動のデータを示しています.今回と前回(2014年11月)の測量結果を比較したのが図12の赤線ですが,桜島北部のS26,S27付近(図11参照)やハルタ山(S108)付近での隆起が見られます.なお,今回の測量は,活動が活発化した8月16日以降に行われており,8月22日現在桜島東部の路線を測量中です.

(とりまとめ:火山活動研究センター准教授 中道治久)

  • 謝辞

地震予知研究センターの西村卓也准教授に掲載記事作成の補助をしていただきました.また,国土地理院電子基準点観測データを使用しました.記して感謝します.

【桜島関連】鹿児島市消防局職員による火山活動監視

 【桜島関連】鹿児島市消防局職員による火山活動監視

8月15日に,気象庁は,それまでレベル3の状態であった桜島火山の噴火警報レベルを,4に引き上げました.これを受け,鹿児島市は,15日以降,鹿児島市消防署の職員を桜島にある研究センターに派遣し,センターの観測データを利用した桜島火山活動の3時間交代にて24時間監視業務を実施しておりました.

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写真. 火山活動研究センターの一室でひずみと傾斜計データによる監視を行う鹿児島市消防署の職員.地震波形画面による監視もおこなっている.

その後,8月21日に開催された火山噴火予知連絡会拡大幹事会での検討結果を踏まえ,鹿児島市は8月22日に,8月15日に出していた「避難勧告」を「避難準備情報」に引き下げ,半径3㎞の外にある黒神地区に対しては、「避難準備情報」の対象から外すこととしました.これをうけて,この監視業務は23日の朝の8:30分をもって完了しました.

【桜島関連・解説】火山噴火の規模とマグマ貫入量の比較

噴火の規模とマグマ貫入量の比較

桜島ミュージアムの福島さんからの依頼をうけ急遽作成しました.
※すべて推定量です.噴火が発生した場合は火砕物噴出量(体積),GNSSや傾斜計やひずみ計(地盤変動観測)からもとめたマグマ量(体積変化量)を表します.引用にて噴出量(質量)となっているものは密度2000kg/m3にて体積に変換しました.

  • 8月15日に桜島に上昇(貫入)してきたマグマ量:約200万m3
  • 2013年8月18日の昭和火口噴火(噴煙高5000m) 噴出量 約7.5万m3 引用[1]
  • 2014年7月24日の南岳山頂噴火(噴煙高8000m) 噴出量 約14万m3 引用[2]
  • 御嶽山2014噴火(噴煙高7000m) 噴出量 約25万m3 引用[3]
  • 桜島の昭和噴火 噴出量 約2億m3 引用[4]
  • 桜島の大正噴火(推定噴煙高最大18000m) 噴出量 約20億m3 引用[4]
  • 大正噴火以降、姶良カルデラにため込まれているマグマ量 約18億m3 引用[5]

【引用文献】
[1] 井口正人・為栗健,桜島昭和火口の2013年8月18日噴火について,京大防災研年報,57B, 106-115, 2014.
[2] 井口正人,桜島火山の噴火活動ー2012年7月〜2013年6月, 桜島火山における多項目観測に基づく火山噴火準備過程解明のための研究報告書,1-8, 2014
[3] 東大地震研・産総研・富士山研・信州大・他,御嶽山山頂調査の速報,火山噴火予知連絡会資料,2014.
[4] 井口正人,私信.
[5] 山本圭吾・他,水準測量によって測定された桜島火山および姶良カルデラ周辺域の地盤上下変動ー2013年10月および11月測量の結果−,京大防災研年報,57B, 116-124, 2014.

(文責:中道治久 京都大学防災研究所火山活動研究センター准教授)
リンク・転用・引用は自由です.

【解説】もっと詳しく桜島の状況を知りたい方へ(みんなの桜島へのリンク)

【解説】もっと詳しく桜島の状況を知りたい方へ(みんなの桜島へのリンク)

第132回 火山噴火予知連絡会資料を公開

資料pdf

【終了しました】研究集会「火山学における人材育成−過去20年を振り返り今後20年を展望する−」(8月1日・2日)のご案内

平成27年度京都大学防災研究所特定研究集会 27C-03
火山学における人材育成―過去20年の振り返り今後20年を展望する-
日程:2015年8月1日(土) 13時~18時
      8月2日(日)   9時~12時
場所:京都大学宇治キャンパスおおばくプラザ きはだホール
主催:京都大学防災研究所,共催:NPO法人日本火山学会

趣旨:社会からの多様な要請に応えることが,学術分野にもますます求められる
ようになってきた.そこで,火山の専門家が社会で果たしうる役割を掘り起こ
し,学術分野としての火山学における人材育成のあり方を議論する.

プログラム:
8/1	13:00	開会の挨拶・趣旨説明
                            井口正人(京都大学防災研究所,火山学会会長)
第一部 社会からの多様なニーズの発掘と人材育成への期待
	13:05	第一部趣旨説明(座長):竹内晋吾(電力中央研究所)
	13:10	学校教育を通してみた火山研究と人材への期待
                                藤 一郎(大阪府立阿倍野高等学校)
        13:35	コンサルティングからみた火山研究と人材への期待
                                鴨志田 毅(地圏総合コンサルタント)
        14:00   ジオパーク活動を通してみた火山研究と人材への期待
                              大野希ー(島原半島ジオパーク協議会事務局)
	14:25	防災担当者からみた火山研究者への期待
                                田鍋敏也(壮瞥町教育委員会)
	14:50	総合科学としての火山学とその資源エネルギー開発
                での学術的期待
                                三ヶ田 均(京都大学大学院工学研究科)
	15:15	休憩	
第二部 研究および業務現場における人材育成の現状と方策
        15:30	第二部趣旨説明(座長):長谷川 健(茨城大学理学部)
	15:35	地球惑星科学分野における博士号取得者を取り巻く環境の変化
                                久利美和(東北大学災害科学国際研究所)
        16:00	大学における火山研究と人材育成
                                武尾 実(東京大学地震研究所)
        16:25	産総研における火山研究と人材育成
                                伊藤順一(産業技術総合研究所)
        16:50	気象庁の火山業務と人材育成 菅野智之(気象庁)
        17:15	文部科学省における火山研究人材育成の取組
                                森澤敏哉(文部科学省)
        17:30	火山噴火予知研究と人材育成
                                清水 洋(九州大学大学院理学研究院)
        17:55	終了予定
8/2
第二部 研究および業務現場における人材育成の現状と方策
                座長 中道治久(京都大学防災研究所)
	9:00	防災科研における火山研究と人材育成
                                上田英樹(防災科学技術研究所)
        9:25	コンサルティング企業における火山関連事業と人材育成
                                千葉達朗(アジア航測総合研究所)
第三部 社会からのニーズに対する学術活動における人材育成戦略
	9:50	これまでの講演のサマリー 中道治久
	10:10	パネルディスカッション
               パネリスト 田鍋敏也,千葉達朗,井口正人,市原美恵
               ファシリテータ 中道治久
	12:10	閉会の挨拶 市原美恵(東京大学地震研究所)
	12:15	終了予定

★実行委員会 中道治久(委員長・火山学会60周年事業委・WG3),竹内晋吾
(火山学会60周年事業委・WG2長),鬼澤真也(火山学会60周年事業委・
WG2),長谷川健(火山学会60周年事業委・WG3長),市原美恵(火山学会
60周年事業委員長)

第131回 火山噴火予知連絡会資料を公開

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黒岩祐治神奈川県知事が来訪されました.

2015年1月31日に神奈川県の黒岩祐治知事らが来訪されました.井口正人教授(火山活動研究センター長)が当センターの研究活動と周辺自治体との災害軽減のための取り組みについて説明をしました.そして,地盤変動連続観測システムなどを見学されました.

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桜島火山研究課題第一回研究集会を開催しました.

桜島火山研究課題第一回研究集会
日時:2015年1月7日 午後1時~6時
1月8日 午前9時~12時
場所:国民宿舎レインボー桜島

H26桜島研究課題プログラム